ー2026.3.24
保護犬カフェ鶴橋店近辺にて犬二頭をカバンに入れて放棄される遺棄事件がありました。
遺棄されていたのは、見るからに高齢のトイプードルとミニチュアダックスフンドの女の子。
トイプードルの子はカバンから自力で出て、車通りも多い道をうろうろとしていたそうです。
カバンから這い出ようと必死にもがいている時間、どれだけの不安と恐怖を抱いていたか、想像するまでもありません。
それなのに、カバンから出た視界には一緒に来たはずの家族はいない、知らない場所。
遺棄は動物愛護法違反として通報が必須であり、所有権の問題からもそのまま保護や里親様探しができません。
警察の方々に状況確認をしていただいてから、一時保護として当団体施設へ。
二頭とも口内環境がかなり悪く、皮膚もフケが目立っていたため体が心配でしたが、スタッフの膝に飛び乗って体をぐっと押しつけてくれる、とっても可愛い子たち。
この子たちがこんなにも人を好きでいてくれたのは、きっとたくさん愛された時間もあったからだと思います。
何度もそわそわと落ち着かない様子で、扉のそばに立ち「クーン」と悲しく鼻を鳴らすのは、家族だった人たちが迎えにくると信じていたからかもしれません。
保管期間が過ぎるか、元飼育者が見つかるまで、ただただ待つ時間が始まります。
ー2026.4.7
警察の方々による綿密な捜査の結果、犯人が見つかり、これからこちらに向かうという連絡が入りました。
元飼育者本人から、遺棄された子たちのお名前が、じゅりちゃん(Tプードル)、らんちゃん(Mダックス)ということ、11歳と12歳であること、好きなことや苦手なこと、術歴などを聞くことができました。
そして、多頭飼育しており経済的に飼えなくなったという理由も。
なぜ、我々のような保護施設に相談しなかったのですか?という質問に元飼育者はこう答えました。
「捨てるなら相談してお願いするのも置いていくのも同じだと思った」と。
真摯にこの子たちに向き合い、正直に相談していれば、この子たちは「保管期間」というただ待つだけの日々も過ごさず、家族と出会うための大切な時間を過ごせていました。
何より、遺棄と同時に生じる命の危険にも晒されなかったはずです。
遺棄されてしまえば、次の家族も探せず、それ以前に事故に遭っていたら…。
遺棄という行為によって、奪われる時間も命も取り戻せないのです。
私たちもできることに限りはあるので、無責任に全てを救えるとは言えません。
しかし、どうすればいいかと相談された方をむやみに責めることもしません。
遺棄が犯罪である前に、どれだけ無責任で浅はかな行為なのか。
二度とこのような行為をしないように、せめて次の被害が起きないように、何時間も時間をかけて、元飼育者に話し続けました。
どれだけの思いが伝わったかは、その方のこれからの行動次第なので今はわかりません。
ただ、今回の対話を受けて、ご自身のしてしまったこと、そして現在ご自宅にいる子たちも近い将来、飼育ができなくなる状況という認識を持たれたそうで、他の子たちも当団体で新たな家族を探してあげてほしいと、ご家族での方向性を一致されつつあるようです。
二度と飼育できないようにする法的な拘束力は、残念ながらありません。
それでも、この子たちの幸せを決めてしまうのは人次第。
ご家族や日常で関わる人々で止めるしか、現実的にできることは無いのです。
どうか、この記事を読んでくださる皆様には、遺棄という行為に対して世間全体への抑止力へと共になっていただければ幸いです。
じゅりちゃん、らんちゃんは元気に甘えてくれていますが、12歳と11歳であることは事実。
残された時間はわかりません。
人よりも遥かに短い命の時間を、また家族として過ごせるよう、尽力してまいります。
さいごに、お忙しい中でもこの子たちのために捜査にあたってくださった警察の皆様、本当にありがとうございました。
また、この子たちを保護できたのは、保護犬猫たちを家族として迎えてくださった里親様方、そして、日頃から保護犬カフェやSNSであたたかく応援してくださる皆様のおかげです。
この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
NPO法人ラブファイブ/保護犬カフェ







